毛穴バランスリセット法

角栓について、真剣に考えてみよう|mimi公式

毛穴バランスリセット法|mimi公式

こんにちは!mimiです。
先日こちらの記事で、皮脂の過剰分泌から毛穴が目立ったり、肌トラブルが起きやすくなってしまうメカニズムを解説しました?

現役の大手化粧品会社の研究職をしてらっしゃるなつなつさんが、最近更新されたこちらのブログでも、様々な学術論文から毛穴が目立ってしまうメカニズムについて解説されています?‍♀️

【記事更新】

毛穴トラブルに関する記事を更新しました。

今回は30報近い論文を徹底的にリサーチし、

✔︎なぜ毛穴トラブルが起こるのか?
✔︎毛穴トラブルにどう対処すべきか?

をまとめました。かなりの大作になっておりますが、ぜひ本記事で勉強してみてください?https://t.co/8qIe7fKTYo— なつなつ@研究職 (@natsunatsu_7722) March 8, 2020

なつなつさんもおっしゃっているように、毛穴の研究は人によって個人差があることなどから研究するのが難しく、原因はこれ!と言うメカニズムはまだ解明されていません?

◎毛穴や角栓が目立つようになるメカニズムについて、もう一度おさらい!
詳しいメカニズムは、私の以前のブログを読んでいただきたいのですが、皮脂分泌過剰から毛穴が目立つようになるまでは、下記のようなプロセスであると考えられています。(現段階でこんな可能性があるという、あくまでmimi調べ?)
✔︎皮脂過剰→✔︎皮脂内の成分バランスが不飽和脂肪酸に偏る→✔︎不飽和脂肪酸が、炎症物質である遊離脂肪酸へと変化し肌を刺激→✔︎刺激によりターンオーバーが乱れる→✔︎不全角化→✔︎角質肥厚→
ゴール①→角質肥厚により堆積した角質が、漏斗状の窪みになるので毛穴が目立つ肌に。
ゴール②→堆積してうまく剥がれない角質と、皮脂が混ざり合うことで角栓ができる。
ゴール③→なんらかの原因で、詰まった皮脂や角栓が酸化すると、黒ずみになる。(諸説あり)
肌のタイプによって、どのようなゴールに行き着くのかは異なるようですが、その詳細なメカニズムは解明されていません。あくまで、こういう可能性がある、程度にお考え頂けますと幸いです?

◎皮脂と角栓、直接の因果関係はなかった??!!

上記のブログで、なつなつさんが紹介されていたこちらの特許。「角栓の中のタンパク質に着目し、角栓形成を阻害する物質をスクリーニングするための試験方法に関する特許」に関する文章です。
こちらの文章の中で注目すべきと感じた部分のみ、ピックアップしてみました?

また、皮脂分泌を抑制することを指標に選択する方法に関しては、後述するが、角栓数と皮脂量に相関がないことが確認されたため、皮脂量を抑制することで形成が抑制されるかは疑問である。

本発明者らは、上記背景に鑑み、角栓形成に関する研究を進めたところ、皮脂分泌量や、過酸化皮脂量と角栓数は、ほとんど相関していないこと

角層(原文では角栓、恐らく角層の誤り)より抽出したタンパク質成分と角栓より抽出したタンパク質成分は異なっており、角栓のタンパク質は角層由来ではないことが明らかとなった。

また、本実験によって角栓には角層に含まれていないケラチン17というタンパク質が非常に多く含まれていることが確認できた。

角栓形成部では何らかの刺激によって周辺に存在するケラチノサイトのケラチン17量が上昇し、炎症を誘引するとともに、それ自体も毛孔部で蓄積することによって、角栓が形成されるという仮説を立てた。

18名の男性による実験から導き出された仮説だそうですが…
✔︎皮脂分泌量や、過酸化皮脂量と角栓数は、ほとんど相関していない
✔︎角栓の中には、角層にないタンパク質が含まれている
✔︎角栓を引き起こす可能性があるのは、ケラチン17というタンパク質
✔︎何らかの原因により、ケラチン17が増え炎症が起こり、ケラチン17自体も毛穴部に堆積して角栓が形成される可能性がある
なぜケラチン17が増えるかなどのメカニズムは分かっていないようですが、この特許では「ケラチン17の量によって、角栓に効果のある成分をスクリーニングする検査法」が申請されていますので、これから良い成分が出てくるといいです?「皮脂量と角栓に相関性はない」という主張に驚かれた方が多いのではないでしょうか???
じゃあ、一体何が角栓の原因になるの??って話ですが…

 

◎毛穴について考える時キーワードとなる言葉「炎症」?

毛穴に限らず、肌荒れ全般に言えることですが、「炎症」という言葉が、あらゆる肌のトラブルを考える上でとても大切なキーワードになります?
こちらの2つの記事を読んでいただいても、炎症と言う言葉がたくさん出てくるのがお分かりいただけると思います?
また、かずのすけさんのこちらのブログも、炎症と角栓の関係について一部触れられています。(角栓にも皮脂優位の角栓と、タンパク質優位の角栓があり、タイプ別のケアが必要なことを示唆している大変面白い記事です!)

そして、どなたが書いていらっしゃるのか全く分からなかったので紹介するか迷ったのですが、とても面白いブログを見つけたのでシェアします?
角栓に関する論文の引用から、ご自身の角栓形成に対する考察を書かれています。とてもとても分かりやすい✨✨
大切なところだけ要約すると…


✔︎嫌気性菌数(アクネ菌、マラセチア、ブドウ球菌など)と角栓数には比較的相関性が見られる
✔︎ 嫌気性菌であるアクネ菌やマラセチア菌
に感染するとサイトカインという免疫に関係した物質が分泌される
✔︎ 細菌や真菌によって免疫細胞からサイトカインが分泌され、サイトカインはケラチン17を誘発することが分かっている
✔︎ 細菌や真菌→サイトカイン→ケラチン17という流れがあり、それと皮脂が混ざることで角栓が形成される


つまりは、
「毛穴の中で真菌や細菌が増えると、免疫細胞がサイトカインを分泌し、サイトカインが更にケラチン17というタンパク質を誘発し、角栓の成分になる」
という考えです?


サイトカインについては、私も前にブログで書いています。我ながらわかりやすいと思うので、「サイトカインってなんぞや?」という方は、まず読んでみてください?‍♀️

さてさて、次は、先程のブログの中で引かれている、こちらの論文を見てみましょう?‍♀️

加納塁『サイトカイン産生からみた皮膚真菌症の病態』 日本大学生物資源科学部獣医臨床病理学研究室

真菌の刺激が表皮に及ぶと, ケラチノサイトから炎症性サイトカインが分泌され, それに よって白血球の遊走や, 補体の活性化が惹起され炎症が進行し, 感染真菌が排除されるものと思われる. したがって 皮膚真菌症の病態解明や治療戦略にとって, ケラチノサイトにおける真菌によるサイトカインの誘導や発現を解明す ることは最近による刺激が重要であると考えられる

生体の細胞が侵入してきた微生物をどのように認識し ているかについては, 近年侵入微生物の細胞壁や遺伝子 を感知する細胞膜レセプター(Toll-like receptor)が発 見され, その機能について注目されている. このレセプ ターはヒトやマウスの貪食細胞, 粘膜細胞, 表皮細胞な どにも存在し, 上記の微生物由来物を認識することで, 炎症性サイトカインの分泌が誘導されることが確認され ている

細菌による刺激を細胞膜にあるレセプターが感知すると、「ここ火事が起きてますぜ!なんとかしてくだせー!?」というお手紙(炎症性サイトカイン)を出します。
そしてそこに消防隊(白血球)が到着し、火消し活動(炎症)を行います。(ここまでが論文の要約。)
そして先程の方のブログ記事の考察と合わせると、
その火事を鎮火した後に残る瓦礫(ケラチン17)が、角栓形成の原因になっている可能性がある、ということですね?

◎ちなみに。「炎症」ってなんなのよ???

「炎症」が何かについては、こちらのサイトが分かりやすいと思ったので引用します。

炎症は、異物や死んでしまった自分の細胞を排除して生体の恒常性を維持しようという反応と考えられます。例えば細菌やウイルス(一種の異物です)が体の中に侵入しようとした時に、さまざまな細胞などの生体内成分がその排除に働いた結果が炎症性反応です。

簡単に言うと、炎症とは「体が自分を守って修復しようとする作用」のことです。大きく分けると、急性炎症と、慢性炎症の2種類に分かれます。アトピー性皮膚炎なども、慢性炎症の一種です?

先程の仮説に基づくと、角栓と言うのは、「私たちの体が自分を守るために頑張ってくれた戦いの跡」のようなものだということがわかってきますよね?? 

◎本日のまとめ

長くなってしまったので、一旦分けたいと思います?
今日紹介した角栓に関する見解ですが、この分野は研究があまり進んでおらず、詳細なメカニズムが分かっているとは言えない状態です。私が引用したサイトや論文なども、根拠レベルまでは精査できていないですから、あくまで参考程度に留めていただけますと幸いです?
そうした仮説である、という点は前置きした上で

✔︎過剰な皮脂が、細菌の影響で不飽和遊離脂肪酸という炎症物質になる。
✔︎真菌や細菌に感染すると、炎症が起こり、その結果としてケラチン17というタン

パク質が出現し、角栓の原因になる(可能性がある)。
この2点だけ、今回は頭に置いていただけますと幸いです?
次回の記事では、この2点の仮説に基づきながら、毛穴や角栓の悩みに対する、具体的なアイテムも交えながら、mimi流お勧めケアについて、書いていきたいと思います?

ありがとうございました?‍♂️