洗いすぎ⇒敏感肌の悪循環ループ?
そして、れんげ化粧水
【石鹸とは?】
石鹸は、皆様もご存知のように、油汚れを落とすための洗浄剤です。石鹸には 界面活性剤というものが入っています。汚れといわれる物の主成分は、主に油分です。しかし水と油は反発し合います。そこで石鹸の界面活性剤で、水と油を引っ付けて油汚れを落とします。この界面活性剤の性質によって、石鹸を使うと汚れが水とくっつき、汚れが落ちていく、というのが石鹸洗浄のしくみです。
【界面活性剤、アルカリ、苛性ソーダ】
1.界面活性剤前述の界面活性剤は、石鹸以外に食品などでも利用されています。マヨネーズの実験など、小学生のときにやられた方も多いのではないでしょうか? 界面活性剤の働きにより、水と油を混ぜることで、油汚れを落とすことができます。 しかしその時に、界面活性剤は、肌が自ら作り出している、NMF(ナチュラル・モイスチャーライジング・ファクター)といわれる天然保湿因子や、皮脂膜も洗い流していってしまうのです。 石鹸というのは、肌にとっては、悪しきものも良きものも全て一掃する、諸刃の剣、といってよいでしょう。
参考:サッポー美肌塾「界面活性剤は危険?」
2.アルカリ
石鹸が アルカリ性であることは、よく知られています。 一方、肌表面は弱酸性です。(この仕組みについては、後述します) 一時期”弱酸性洗浄剤”が流行ったことがありますが、これも一理あるのです。 (ただ、これらの製品は、本来アルカリである洗浄成分を無理やり弱酸性にするために、合成界面活性剤が大量に使われておりますので、石鹸よりももっと肌に悪いといわれています) 通常、石鹸で洗浄した肌表面は、一時的にアルカリに傾きます。 しかし時間をかけて、肌の常在菌が、肌表面を弱酸性に戻してくれるのです。 この間、約4~6時間といわれています。 しかし、 肌が乾燥する時期や,肌が弱っているときなども,pH値の回復が遅くなることがあり、肌表面がアルカリ性に傾くことがあります。 (これは、肌表面の常在菌の働きが鈍っている、ということでもありますが…。) 肌表面がアルカリ性に傾くと、悪さをする菌の繁殖を許してしまいます。(詳しくは後述します)参考: MSN相談箱「石鹸のアルカリ性は肌に悪い?」
3.苛性ソーダ
石鹸は、動植物のあぶら(油脂)をアルカリで煮て作られます。 そのアルカリの種類によって、石鹸は2つに大きく分けられます。
- ☆脂肪酸ナトリウム(ソーダ石鹸)
- 油脂を水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)で煮たもの。固形石鹸や粉石鹸になる。
- ☆脂肪酸カリウム(カリ石鹸)
- 油脂を水酸化カリウム(苛性カリ)で煮たもの。液体石鹸になる。
この石鹸製造に欠かせない苛性ソーダは、毒・劇物取扱法や薬事法で劇物と指定されているたいへん危険な薬品です。 石けん作りには濃度にして約30%の苛性ソーダ溶液を使いますが、このような高濃度の苛性ソーダ溶液はきわめて危険で、1円玉程度で、人が一人死んでしまうほどの急性毒性物質です。 このような劇物が、石鹸製造には欠かせないのです。 (石鹸は化学的には、「脂肪酸のナトリウム塩」という名前になります。)
参考: uki☆uki☆せっけんライフ「苛性ソーダって危険?」
もちろん、こんな劇物が残留しているような石鹸を使うと、肌に悪影響があります。 そのようなことを防ぐために、石鹸製造メーカーは、反応しきっていない未反応の成分(遊離アルカリ)をいかに無くすか、工夫をしているようです。 数日掛け大きな釜で温度も下げないように攪拌したり、最後には大量の塩水で石鹸を洗い、比重差によって、不純物と石鹸を分離させたりするのです。 それでも、未ケン化(石鹸になりきらない)部分をゼロにすることは難しい、とのこと。 参考:「苛性ソーダとは 」 手作り石鹸が一時期はやりましたが、未反応の苛性ソーダが残ってしまう可能性が高いそうです。 プロがやっても難しいことを、素人がやるのは、もっと難しいに決まっていますよね…。
4.まとめ
・汚れも落ちるが、肌に必要な皮脂や、保湿成分も落としてしまう。
・肌のpH値が著しく変動する。
・一部の粗悪な石鹸には、苛性ソーダ残留の危険性がある。
【皮膚常在菌について】 1.皮膚常在菌とは
私たちの肌には、1cm辺り、20万個もの細菌が住み着いています。
この細菌たちに上手に働いてもらうことこそ、大事なことなのです。
肌表面に生 息している細菌にも、善玉菌と悪玉菌があります。
2.善玉菌の働き
この中で重要な働きをしてくれる善玉菌が表皮ブドウ球菌です。 善玉菌は活動しながら脂肪酸(オレイン酸や酢酸)を生産し、肌のph値を5.0~5.5程度の弱酸性に調整し、保ってくれます。
石鹸洗顔後も、6時間かけてpH値がじわじわと回復していくのも、善玉菌ちゃん♪のおかげです。
さらに食中毒を起こす細菌として有名な黄色ブドウ球菌などの病原細菌が暴れるのを防いでくれます。
悪玉菌ではニキビの原因になるアクネ菌や、アトピー性皮膚炎に関係する黄色ブドウ球菌などがあります。
※ちなみに、ニキビの原因として有名なアクネ桿菌は、毛穴の入り口付近に棲んでいる細菌です。
通常は肌を弱酸性に保つために働いてくれる良い細菌なのですが、異常に増殖するとニキビの原因になります。 しかしアクネ菌は酸素に弱いですから、肌表面が柔らかく皮脂が毛穴にたまらなければ、酸素に触れ異常繁殖することはありません。
間違っても、殺菌しなきゃ!なんて思わないでくださいね。
3.善玉菌の餌は皮脂
善玉菌は脂肪酸(オレイン酸や酢酸)を生産し、肌を弱酸性に保ちますが、実はこの方たちの餌というのが
皮膚表面の脂質や、角質層の落屑
なのです。
特に善玉菌は、皮脂の餌がないと、死滅してしまいます。善玉菌が死滅して少なくなると、肌の表面はアルカリに傾きます。
そしてアルカリに傾いた肌から病原菌が侵入して細胞を破壊していくのです。 黄色ブドウ球菌に代表される病原菌は、アルカリの肌が好きで、弱酸性の肌では生きて行けません。
そこで肌を弱酸性に保つためには、必要な皮脂を保ち善玉菌を生息させることが必要なのです。
ご飯をちゃんとあげてください。
4.肌のバリア機能が働くのは、善玉菌のおかげ
肌表面のバリア機能を鍛えることが大切、と口を酸っぱくこのブログでも語っております。
肌表面のバリア = 皮脂膜+目に見えない汗 = 天然の保湿クリーム でしたね。 しかし前述の「界面活性剤」の項でも書きましたが、油と水は、界面活性剤がないと交じり合わないはず。 では何故、皮脂と汗は肌表面で混じるのか。 実は、 皮膚常在菌が皮脂を食べて排泄する代謝物が、皮脂と汗という水と油を乳化作用により繋ぐ働きをしている のですよ!!! 天然の界面活性剤 といってもいいでしょう。 皮脂膜を作るには、善玉菌ちゃんの働きが必要不可欠なのです。
5.まとめ
・肌表面を弱酸性に保ってくれているのは善玉菌。
・善玉菌の餌は皮脂。
・善玉菌の排泄物が、皮脂と汗の混じりあいを助けて、肌バリアにを作る。
ということはですよ。 善玉菌と、その餌になる皮脂を落としてしまう、石鹸洗顔はする必要がない のです。
うん、相変わらずオタクだね…(白目)