3STEP保湿法

「保湿ダム理論」について語る|mimi公式

3STEP保湿法|mimi公式

「保湿ダム理論」について語る

今日は、スキンケアにおける「保湿」が、どのような役割を果たすものなのかについて、解説していきたいと思います。水を堰き止める「ダム」に似ていることから、「保湿ダム理論」と名付けました。

今回の記事は、こちらの記事の続編になります?

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大変ご好評をいただいた前回の記事、簡単におさらいすると…

・「調子の良い肌」 の正体は、角層水分量が豊富の肌(=透明感がある肌)。
・肌がパサついていなくても、「乾燥」していることがある。

この2点が、大きなポイントだったかなと思います✨

乾燥している肌に、保湿剤を塗布する意味

「3STEP保湿法」の理論に入る前に、まずは「乾燥」と「保湿剤」の関係を、イメージしやすくしていきたいと思います。

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頭の中にこんな「ダム」の映像を思い浮かべてください?

ダムの壁 = 角層のバリア機能
ダムの中の水 = 肌内部の水分

と想像してみましょう。(たとえ話ですので、ほんとざっくりしたイメージで捉えてください?分かりやすさを優先してます)

肌が乾燥している状態というのは、「ダムの壁」に穴ぼこが開いているような状態です。そこからどんどん、中の水は出て行ってしまいますよね。

そこで、「ダムの壁」を修理しなければなりませんが、きちんとコンクリートの素材で修理するのには時間がかかりますし、まずは水の放出を止めるための応急処置をしなくてはなりません。

そこで、

ベニヤの板 = 保湿剤

で「ダムの壁」の穴を塞ぎました。しかしここで安心してはいけません。「ベニヤの板」はすぐにまた破れてしまうので、根本的に丈夫なブロックを使って「ダムの壁」の修理をしないと、いつまでもいたちごっこになってしまいます?

私は、保湿剤の意味は、これくらいの感覚で捉えています。「保湿」が、必ずしも根本的な乾燥対策になるわけではない、というイメージを持っていただけたら大丈夫です?(もちろん個別の製品にもよります。あくまでイメージの話です)

 

じゃあ保湿剤を塗布するのは無駄なの?

そういう訳でもありません?

丈夫な「ダムの壁」を作るためには、肌に新しい「ダムの壁」をどんどん作ってもらわないといけないのですが、私がいつも言っているように、「ダムの壁」に穴ぼこが開いている状態だと、そこから水が出て行きやすいのと同時に、「ゴミや変な動物」(=アレルギー性物質や刺激性物質)が肌の内部へと侵入しやすい状態になってしまいます☠️

そうすると肌は、「これはいかん!!早く壁の穴を塞がないと!」と躍起になって、ドンドコ新しいブロックを作り出します。しかし間に合わせで作ったブロックは、質が悪くて中身がスカスカ。そのブロックで「ダムの壁」を塞いだとしても、またすぐに壊れやすい壁になってしまいます☠️

このサイクルを繰り返すことによって、肌=「ダムの壁」は、どんどん脆い状態へと変化してしまうのです。この「ターンオーバーサイクルの乱れ」が、慢性的な肌荒れに陥ってしまう大きな原因と言われています。

そして保湿剤は、まさにこの「早く壁を塞がないと!」という肌表面からのシグナルを遮断するための「応急処置」として、とても大切な役割を果たします?

乾いている肌は、適切に「保湿」をしましょう。

「水分量」が不足しているなら、化粧水を何度も重ね付けしたらいいじゃない??

私のブログを読んでいただいている方はほとんど思わないかもしれませんが、「水分が足りないなら、化粧水を何度も重ね付けして、その上から乳液で蓋をすれば良いのでは?」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。

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私の化粧水に関する意見はこちらの記事に書いたことがあるのですが、私が化粧水を使う場合は、

・取り入れたい美容成分が水溶性である。
・肌のpH値を弱酸性に整える役割がある。

主にこの2点の理由で使用します。

「保湿目的」で化粧水を使用することは、ほとんどありません。

奥田峰広「手指衛生とスキンケア」(『花王ハイジーンソリューション』No.8 2005)は、手荒れの発生の原因について解説されている文章ですが、顔の肌にも同じことが言えるのではないかと考えています。

・正常な角層は洗浄の際に、皮脂膜は失われるが細胞間脂質(セラミド類)は維持され、一時的に角層内に水が侵入しても速やかに元の状態に回復する。

・一方、バリア機能が低下した角層では大量の水が浸透し(膨潤)、さらに急激な乾燥にさらされることで、「過乾燥」の状態になる。バリア機能を失った角層は、急激に縮小し、落屑(皮剥け)の形成やつっぱり感の発生などが認められる。

ざっくりとまとめると、こんな感じの内容です。

「バリア機能」が低下した肌は、水分を失いやすいのと同時に、水分がたくさん入ってしまいやすい。しかし、その水分が蒸散する際に、さらに乾燥を呼ぶ「過乾燥」の状態になってしまう可能性がある、ということですね?

使用する化粧水にももちろんよるとは思いますが、こういった可能性があることから、現在「バリア機能」が低下していると思しき敏感肌や乾燥肌の方は、無理して化粧水をつけなくても良いのではないかと私は考えています。つけるにしても、何度も重ね付けするのではなく、推奨量を塗布するに止め、何度も重ね付けするようなケアはあまりおすすめしません

(同じ理由で、敏感肌の方がシートパックを頻繁にされたり、スチーマーを使用することもおすすめしません。基本的に、肌の構造は濡れるとさらに脆くなります)

また、乳液で「蓋をする」という言葉は、個人的にはあまりしっくりこない表現です。その乳液に「セラミド」や「NMF」類が含まれていたら、もちろん保湿の効果はあると思いますが、”化粧水で与えた成分や水分を閉じ込めるための蓋”、というよりかは、肌本来の水分を失いにくくする役割の方が勝つのではないかと感じています。

「狭義の保湿」「広義の保湿」

先ほどの「ダム理論」に戻りたいと思います。
私は「保湿ケア」を、二つの概念に分けて考えています。

・ダムを補修するベニヤ板 = 「狭義の保湿」ケア
・ダムを補修するブロックの製造を手助けする = 「広義の保湿」ケア

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こちらのブログにも書いたことのある内容です。

「狭義の保湿」=「3STEP保湿法」

これは分かりやすく、いわゆる”保湿剤を塗布する”形の保湿ケアです。
そして「3STEP保湿法」の保湿は、この「狭義の保湿」ケアに該当します。

「3STEP保湿法」については今までも何回か解説していますので、ダイジェスト的にお話しします。

肌の潤いを守っている、肌自身が生み出す保湿成分は、主に3つに分類されます。
 
✔︎ セラミド(細胞間脂質)→角層細胞のを、”セメント”のように埋めながら水分保持している。
✔︎ アミノ酸類(ナチュラルモイスチャーライジングファクター=NMF)→角層細胞ので水分と結合している。
✔︎ 油分(皮脂膜)→角層の、肌の表面で皮脂と汗が混ざり合って、天然のクリームになって肌を保護している。

 

そして、これらを補うための成分が配合された保湿剤を利用することで、肌に不足している保湿成分を割り出すスクリーニングをしつつ、ピンポイントでその成分を補うことを目的にした美容法が、「3STEP保湿法」です?(3STEP保湿法の考え方の根底には、「不必要な保湿を加える事(=加保湿)は、敏感肌の人々にとっては新たな負担になる可能性がある」という私の個人的な考えがあります?必要最低限の保湿を考える上では、自分の肌に何が不足しているのかを知る必要がある、ということですね。)

具体的には、「セラミド」→「NMF(アミノ酸)」→「油分」の順番で、一つずつ保湿剤を試していきます。 

なぜこの順番かというと、現役の化粧品開発者ミライさんがご紹介されていた、この実験データがあるからです。”セラミド研究の父”と言われている、元花王の研究員、芋川先生の実験です。

 
ざっくりいうと、「NMFが洗顔により溶出してしまっても、セラミドが守られていれば水分保持機能の低下を防ぎ、肌荒れを軽減することができる。」という内容だと理解しています。 
そうだと仮定すると、まずは「セラミド」を付加すれば、肌荒れが軽減される方が最も多いはずですよね。だから「セラミド」が保湿の第一選択肢です?

しかし、「NMF」も軽視してはいけません?現職の化粧品研究職のなつなつさんのこちらのツイートをご覧ください。

 
「NMF」の産生に関わる「フィラグリン」という物質の生成に関わる遺伝子の異常が、アトピー性皮膚炎発生の原因の一つと言われています。特に、「ベビーオイル洗顔」をはじめとした、”洗いすぎないケア”で肌荒れが改善される方は、この「NMF不足型」の方が多いのではないかと私個人が推測していることもあり、第二選択肢となっています?

そして第三の選択肢が「油分」です。軽視しているわけではなく、皮脂は大変重要な要素だと考えているわけですが、また皮脂の問題がとても難しいんですよ…。こちらの論文とか、こちらの論文によると、過剰な皮脂も肌荒れの原因になることが指摘されています?

油分を足すことによってどんな影響があるのか、因果関係を判断するのが一番難しい気が個人的にしているため、油分を足すのは最終選択肢となっています?(皮脂が不足しがちな方は、もちろん足した方が良いと思っています)


「セラミド系保湿剤」を足して調子がいいならそこで終了。それでも乾くなら、「NMF系保湿剤」を取り入れてみる。それでもまだ乾くなら、「油分系の保湿剤」を入れてみる。

この「3STEP」で

・自分の肌に足りない保湿成分を割り出す。
・自分の肌にあった保湿剤を見つける。

ことが、とても大切と考えています。

特に、 ”自分の肌に足りない保湿成分を割り出す”ことは、この後の「広義の保湿ケア」についても関わってくるところです。

「広義の保湿」=「毛穴バランスリセット法」や「プラスαのケア」

「3STEP保湿法」で自分の肌に足りない成分が分かったとします。
 たとえばそれが「セラミド」だった場合、こんな風にネット検索してみましょう。

「セラミド 産生 増やす 成分」

その結果、私のパソコンで出てきた結果がこちらです?‍♀️

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「セラミドそのもの」を補う他にも、「セラミド自体の産生を促す成分」がこんなにたくさんあるわけです?

「セラミドそのもの」を補って肌の調子が回復してきたら、今度は「セラミド自体の産生を促す成分」が配合された化粧品を使ってみたら、さらなる相乗効果が得られそうですよね。

このように、根本的な「潤い成分不足」の解決に繋がりうる”プラスα”の保湿スキンケアを、私は「広義の保湿」ケアと呼んでいます! 

「毛穴バランスリセット法」も「広義の保湿」ケアの一種

私がもう一つ提唱している美容法「毛穴バランスリセット法」も、「広義の保湿ケア」の一種です。

基本的に、「セラミド」や「NMF」といった保湿成分は、肌のターンオーバーのサイクルの中で自然に生産されています。ターンオーバーが乱れて、質の悪い角層細胞(ダムの壁のブロック)が生み出されている状態だと、 これらの成分もきちんと生産されないことが予想されます。

「毛穴バランスリセット法」では、肌表面の炎症を抑え、皮脂分泌が過剰ならそれを抑制、ビタミンAを利用して、ターンオーバーのサイクルを正常化する手助けをします。

これらの行為は、文字通り、本来あるべき肌から乱れてしまった「バランス」を「リセット」して、正常なターンオーバーサイクルをもう一度目指すためのケア方法です!
副次的な効果として、セラミドやNMFの産生量も回復してくるのではないかと、私は考えています。(皆様の体験談から考えても、その可能性は高い気がしています。)

 

 

「狭義の保湿」と「広義の保湿」を合わせがけして、「乾燥」の根本解決を目指そう!

私のお勧めの方法はこんな感じです。
 
1.まずはとにもかくにも「洗い過ぎないケア」。自分にとってふさわしい洗浄強度を、「ベビーオイル洗顔」などで見極める。
 
2.「3STEP保湿法」を利用して、「狭義の保湿ケア」を極める。自分の肌に不足しがちな保湿成分を知る。
 
3.その保湿成分の産生を促してくれる成分を探す。(「広義の保湿ケア」への足がかり)
 
4.「狭義の保湿剤」で肌が落ち着いてきたら、プラスαの「広義の保湿ケア」を取り入れて、根本的な「乾燥」の原因解決を試みる。
 
5.それと同時に、「毛穴バランスリセット法」の中から必要なエッセンスを取り入れて、(特にビタミンAは使って欲しい)ターンオーバーの根本的な正常化を目指す。

 

うーん、完璧な「スキンケア設計」ではないでしょうか?!(理論の上では。実践はまた色々な問題がもちろん出てきます)
 

とは言っても…

市販されている保湿剤は、もちろんその辺りがとてもよく考えられています。「NMF」も「セラミド」もバランスよく入っていたり、高圧乳化で浸透性も考えられていたり、それらの成分の産生を促す植物エキスなども併せて、バランスよく含まれていることも多いです。

 

次回の記事では、「3STEP保湿法」のスクリーニングのためにおすすめな保湿剤と共に、それらの成分の産生を促してくれる保湿剤についても、ご紹介していきたいと思います?

 

ありがとうございました?‍♂️